いい組織をつくるには順番がある

2014年10月8日 執筆: 赤木 浩二  テーマ:

私たちは大抵なんらかの組織に関わっています。職場のチームや部署、会社全体、業界団体、趣味や町内会、PTAなどのコミュニティなどが対象となります。

あなたが例えば営業グループのリーダーだとして業績をあげるために何らかの働きかけを行い、構成しているメンバーを動かさなければなりません。

あなたが真っ先にやらなければいけない事は「関係作り」をすることです。私たちはどうしても結果を急ぐばかりに「営業数字」という「結果」に焦点をあて成果が出ていなければ、部下の「行動」に焦点をあてます。

例えば、1日に3件訪問していて成果がでなければ、4件回ることを部下に課し達成できなければ、なぜできないかという原因を追究し、対策を立てる・・・。

「なんだ。それはあたりまえのマネジメントだろ。」とお感じになるかも知れませんね。
でもこれは上司と部下との間に信頼関係があってこそなんです。うまく成果がでればよいのですが、目に見えた結果が出なかった場合、行動を変えていっても「上司の言うとおりにやったのにうまくいかない。」という他責になってしまうのです。
ではどうすればよいのでしょうか。

いい組織を作るためにはどのような手順で行えばよいのか。さまざま視点で研究を繰り返し、原則を生み出している方がいて答えはすでに証明されていたのです。

それがマサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱されている「組織の成功循環モデル」です。

マサチューセッツ工科大学ダニエル・キム教授「組織の成功循環モデル」

マサチューセッツ工科大学ダニエル・キム教授「組織の成功循環モデル」

●グッドサイクル ①→②→③→④→①・・・というサイクル

  1. 互いに尊重し、結果を認め、一緒に考える(関係の質)
  2. 気づきがあり、共有され、当事者意識を持つ(思考の質)
  3. 自発的・積極的にチャレンジ・行動する(行動の質)
  4. 成果が出てくる(結果の質)
  5. 信頼関係が高まる(関係の質)
  6. もっと良いアイデアが生まれる(思考の質)

 

●バッドサイクル ①→②→③→④→①・・・というサイクル

 

  1. 成果・業績が上がらない(結果の質)
  2. 対立が生じ、押し付け、命令・指示が増える(関係の質)
  3. 創造的思考がなくなる、受け身で聞くだけ(思考の質)
  4. 自発的・積極的に行動しない(行動の質)
  5. さらに成果が上がらない(結果の質)
  6. 関係がより悪化する、なすり合い、自己防衛(関係の質)

私はある時期、子供のPTAの役員をさせて頂いたことがあります。最初は張り切って会議のやり方やWEBを活用したコミュニケーションの方法を提案するのですが、「よい方法だと思いますけど・・・・でもね・・・」という感じで期待した反応が返って来ません。

よく考えてみると私は新参者で皆さんからすると「まだ信用に値しない」人だったわけですね。「あなた誰だっけ?」(笑)という感じです。

まずは、皆さんのやろうとしていることをよくみてお手伝いをしながら私という人間を知ってもらうことが先だったのです。

「関係作り」がベース。
もし、言いたいことがあったとしてもまずは相手が大切と思っていること、関心があることをよくみて貢献することがから始めたいですね。