「うちの社員を変えてくれ」

2014年10月8日 執筆: 赤木 浩二  テーマ:

日頃、いろんな経営者の方から人と組織のご相談を頂く機会があります。

時々、「俺(経営者)はよく勉強している機会もあるからいいんだけど、うちの社員はそういうチャンスも少ないし、研修をやって考え方を変えて欲しいんだ。」と言われます。

これ、私もサラリーマン時代、ダメマネージャー歴が長かったのでよくわかります。

当時、私はフランチャイズ部門の責任者として加盟店さんからの要望や問い合わせ、商品開発のプロジェクトや直営営業部門も少し関わっていたので毎日、昼ごはんも食べれず、睡眠時間も3時間くらいしかない日々がずっと続いていました。

口ではメンバーに「みんなでやろうよ」と言いながらバラバラの意見を言い思い通りにいかなくなってくると心の中では「俺はこんなに夜遅くまで危機感を持って働いているのに・・・」と恥ずかしながら考えていたのです。

「メンバーさえ、もっと頑張ってくれたらよくなるのに・・・」と真剣にダメマネージャーの僕は思っていました。

 

でも「相手を変えようとするマネジメントが問題を複雑にしていて自分がその要因を作っている」わけです。

 

私が学んでいるU理論のセッションの中であったハーバード大学大学院 ロナルド・ハイフェッツ「リーダーシップとは何か!」によると子育てや人間関係、企業合併などは「適用を要する課題」で自分が変わらなければ問題解決はできない。それは専門家からの支援は得られても解決の委託はできないというのです。

 

私はまさに組織がうまく動かない原因は自分の外にあって自分自身にはないと考えていたのです。

自分の中にはないから問題解決しようと次のようないろんなことを試みるわけです。組織図が頻繁に変わり、部署も肩書きもめまぐるしく変わり、最後の方は何をやっているかわからなくなっていましたね。

 

・スキルや知識を高める(マネジメントテクニック)

・人事異動による組織体制の変更

・人事制度の変更

・叱咤激励

・フィードバック

 

その時の自分にこの質問を送ってあげたいです。

「今のままの状態が続いて望ましくない結果になったとしたら、それは自分のどのような考え方や行動が影響を及ぼしているのか?」

おそらく最初は嫌な気分でしょうね。

「俺は悪くない」という声が聞こえるかも知れません。当然ですね。

でもそのまま、ちょっと保留してあげてもう一度、質問してみることにします。何か、頭に浮かんでくるはずです。